砂丘地保全・活用プロジェクト

プロジェクトリーダー
永松 大 教授(農学部)
プロジェクト構成
地域資源グループ
グループ長:永松 大 教授(農学部)
「ユニークな砂丘地の経験を世界へ乾燥地へ」
エネルギー利用グループ
グループ長:田川 公太朗 准教授(農学部)
「砂丘地・乾燥地の自然エネルギー利用にかかわるシステム開発とその活用」
プロジェクト概要
“乾燥地研究の礎たる海浜砂丘から新たな価値を創造する”
砂丘地保全・活用プロジェクトは,国際乾燥地機構の原点ともいえる鳥取砂丘を見つめ直し,「砂丘地」全般の保全,砂丘地の持続的活用を進めることを研究の目的として,山陰・鳥取ならではの情報発信をめざしています。海浜砂丘は山陰海岸ジオパークの重要な構成要素であり,その保全は東日本大震災後の海岸部復興のあり方にも関係する研究です。
地域資源グループは砂丘地の生態系や歴史・人間活動を主題にしています。生態系では,鳥取砂丘を中心とした特徴的な砂丘地形の成因,維持機構とその将来像,人のかかわりと生物多様性,生態系サービスとの関係解明を進めています。鳥取砂丘では観光客の入り込みにともない生態系保全に課題を抱えていますが,砂丘内で24年ぶりに鳥取県の絶滅危惧種「ハマハナヤスリ」を再発見,といった明るい話題がありました(【図1】,2015年6月確認)。
歴史・人間活動については,人間と砂丘とのかかわりを主題に,砂丘遺跡の調査と保存,公開と活用をテーマに研究を行っています。砂丘遺跡の発掘調査を進め、砂丘の発達と人間活動の消長を考古学的に検討しています【図2】。各地の砂丘遺跡との比較により、砂丘利用の歴史解明を進めます。
エネルギー利用グループは,海岸砂丘地での自然エネルギー資源を評価し,これを揚水や淡水化などに活用するシステムの開発を手がけています。砂丘地農業への貢献のほか,太陽電池パネルや風力発電システムの砂塵防護対策の開発【図3】により,砂漠地での利用にも貢献が期待されます。
再発見されたハマハナヤスリ
発掘調査の様子
鳥取砂丘での実験システム