黄砂・環境修復プロジェクト

プロジェクトリーダー

山中 典和 教授(乾燥地研究センター)

プロジェクト構成

塩類集積問題対応グループ

グループ長:山中 典和 教授(乾燥地研究センター)

「塩生植物を活用した塩性土壌の改良」

黄砂問題対応グループ

グループ長:黒崎 泰典 准教授(乾燥地研究センター)

「モンゴルにおける黄砂発生メカニズムの解明」

侵食問題対応グループ

グループ長:Nigussie Haregeweyn AYEHU 特命教授(国際乾燥地研究教育機構)

「持続可能な土地管理(SLM)技術の開発」

プロジェクト概要

“乾燥地の砂漠化問題に取り組み、劣化した環境を修復する。”

乾燥地では砂漠化という深刻な環境問題が存在しています。砂漠化現象としては、砂嵐が生じて土地が侵食されたり、道路や畑、家屋が砂に埋もれたりします(風食による被害)。乾燥地での砂嵐は遠く離れた日本にまで影響を及ぼします。黄砂は乾燥地で生じた砂嵐の細かな粒子が日本にまで飛んできたものです。また、乾燥地では土地を覆う植生が貧弱なため、植生が破壊されると雨による侵食の被害(水食による被害)も受けます。さらには、乾燥地では不適切な水管理により、塩類が集積して作物を育てることが出来なくなることがあります(塩類集積による被害)。本プロジェクトでは、これら砂漠化に関わる問題を取り上げて研究をおこないます。塩類集積問題対応グループでは主に中央アジア、トルコ、中国等の乾燥地を対象に、塩生植物を活用した塩類土壌の改良に取り組みます。黄砂問題対応グループでは、モンゴルにおける黄砂発生メカニズムの解明に取り組みます。また、侵食問題対応グル―プでは、主にアフリカのエチオピアを対象として、土壌侵食・土砂流出緩和のための持続可能な土地管理技術の開発に取り組みます。いずれのプロジェクトでも、現地共同研究者と共に野外で汗をかいて調査をおこなっています。日本には乾燥地はありませんが、私たちの暮らしは乾燥地の砂漠化と無縁ではありません。乾燥地の人々と共に、砂漠化問題の解決に向けた努力を続けています。

砂嵐の中で黄砂発生を観測する(モンゴル)
典型的な谷底ガリー侵食の様子(エチオピア)