超学際研究プロジェクト
"Future Dryland"
- プロジェクトリーダー:恒川 篤史 教授(乾燥地研究センター)
※その他学際プロジェクトより適宜参加
平成28年度からの新たな取組みとして、5つの学際研究プロジェクトを包括する形で、学術と社会をつなげる超学際研究“Future Dryland”を開始しました。これは世界的枠組みである”Future Earth”(国際科学会議 [International Council for Science: ICSU])が推進する地球環境研究に関する複数の国際研究プログラムが再編成されたプログラム)と連携する取組みであり、特に乾燥地科学分野における学術的知見の蓄積、研究成果を背景に、研究計画段階からさまざまなステークホルダー(国内外政府機関、地方自治体、乾燥地住民、NGO等)を巻き込み、研究計画の設計(Co-design)と研究知見の創出(Co-production)を協働で行い、社会実装につなげる取組みです。
鳥取大学では、これまで蓄積してきたモンゴルでの研究成果をもとにして、モンゴルの人々とともにモンゴルの未来、とくに放牧地生態系を中心とした持続可能な自然-社会システムを考えてゆきます。
国際乾燥地研究教育機構では5つの学際研究プロジェクトを実施していますが、”Future Dryland”では鳥取大学の研究者が、モンゴルの研究者、行政・政策担当者、産業界、牧民など社会のさまざまなステークホルダー(利害関係者)とともに草原を持続的に利用して行く上での問題を考え、立場の異なる人々と協働して取り組む「超学際研究」のアプローチをめざしています。
モンゴルの牧民は数千年にわたり遊牧を主とする営みにより草原と家畜とともに暮らしてきました。その生活が今、急速に変わりつつある社会と環境の中で変貌を遂げようとしています。そこで、この地球の貴重な財産である草原生態系をこれからも持続的に利用していくための自然ー社会システムのあり方を検討し、研究成果の社会実装をめざして、以下の諸点に関する研究(とくに社会への橋渡し研究)を行います。
- (1) 砂漠化と草原生態系の修復
- (2) 持続可能な牧畜システム
- (3) 気候変動・社会変動が草原生態系に及ぼす影響

モンゴルの放牧地生態系と移動式住居(ゲル)

モンゴル草原に生息する野生動物